おはようございます。Syunです。
- 偉大なる過去の発明品iPod を改造するよ
- iPod miniと改造用パーツを用意
- 分解の儀
- microSDのフォーマット
- バッテリー・ストレージ取り付け
- 組み立ての儀
- 設定・同期をする
- 完成、ロマンを満たすiPod。いらないけど
- 参考
偉大なる過去の発明品iPod を改造するよ
今日は前置きが長いので興味ない人は下まで飛ばしてね
アメリカApple社はIT界に革命を起こした3つの偉大なる発明(正確に言えば実用化)をしたという事はITに関わる人間なら多分誰でも知っている事実でしょう。GUI、クリックホイール、マルチタッチの3つですね。GUIはMacintoshに初めて搭載され今ではWindowsをはじめありとあらゆるIT機器がGUIを採用していますし、マルチタッチを搭載したiPhoneが発売されたことによりスマートフォンが寄り普及し日常生活が変わったのは言うまでもないでしょう。ではクリックホイールは・・・?
クイックホイールはiPodにて実用化され、その使いやすい操作から大ヒットに大ヒットを重ねSONYのウォークマンと共に一般人が音楽を聴く環境を一変させた素晴らしい発明です。くるくると優しくタッチしながら曲を選んだり音量を操作したりするこの発明は後に出てくるマルチタッチには劣りますがボタンをポチポチやるよりよっぽど直感的で大変使いやすく便利です。まあ、iPodが売れた要因としてはクイックホイールよりもHDDを積んでたからパソコンに入ってる音楽データを全て持ち出せるという点の方が大きい気もしますが。
しかし、もうスマートフォンが普及したこの令和の世の中。iPodが普及してポータブルCDプレイヤーが衰退したように、iPodもiPhoneをはじめとするスマホによってかなり衰退しました。今ではもはやパソコンに入っている音楽データをスマホに同期して持ち運ぶという概念すら時代遅れとなりつつあり、モバイルデータが届くところであればAppleMusicやSpotifyで音源をストリーミングすることで外出先でも音楽を楽しむことが可能になっています。ちなみに私は未だにストリーミングに切り替えることが出来ずiPhoneに音源を同期させている時代遅れ人間です。そんで、普段Spotifyで洋楽を聞いてかっこつけている(くせに英語が話せない)弟にiPodを知っているか聞いてみたところ、「聞いたことはあるがどんな物かは知らん」という答えをいただきました。なるほど、そりゃ知らんだろうな。物心ついたことには世の中にiPhoneがあったわけだし。
私もデジタル機器を弄るようになったのはもうスマートフォンが普及した後でそこまでiPodに思い入れがあるわけではありませんが、受験生の時に塾から「スマホで音楽聴くのはSNSを見てるのと見分けがつかないから禁止」という謎ルールを付けられ中古のiPodを秋葉原で買って1年ほど使った事がありました。先日遂に「iPod touch終売でiPodシリーズ販売終了か?」というツイートを見て懐かしく思い色々Wikipediaなどを読んでいたところ、『iPod classicとminiはSDカードをストレージとする大容量化改造が可能』というブログをいくつか見つけました(やっと本題にはいります)。
別に大容量のiPodが欲しいわけではありませんが、なんとなく面白そうだなと思ったので今回は比較的簡単らしいiPod miniを改造して128GBの大容量にしたいと思います。特に意味はありません。趣味です。でも結構お金をかけたのでブログのネタにはしてやろうということで今これを書いています。
簡単に改造内容を言うと、iPodはminiだけストレージの端子がCFと共通で(実際に積んでいるのはHDD)物理的にCFにストレージを差し替えることが可能だそう。そこでmicroSD→CFの変換アダプタを使って大容量化をしようってわけ。ちなみにCFってのはコンパクトフラッシュの略です。SDカードより前のフラッシュメモリの規格でした。今でも高級一眼レフなどではCFを採用しているメーカーも多い(転送速度がSDより早いので)。
それでは前置きが長くなりましたが改造の記録を書いていきます。
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iPod miniと改造用パーツを用意
さて、私が昔使ってたのはiPod classicとnanoだったのでその時のclassicを改造しても良かったのですが、タンスを引っかき回しても回しても出てこず仕方なく某フリマサイトでminiを購入しました。なぜminiなのかというと前述の通りclassicよりminiの方が改造しやすく小さいので。
iPod mini 第二世代 4GB
こちらが今回購入した中古のiPod mini。ピンク。2005年発売だけどまだまだ色あせないアイブ氏の素晴らしいデザイン。1000円ぐらいでした。当時は2万強したのにね。
大分バッテリーがへたっており、10分ほどの音楽再生で電源が切れます。まあバッテリーも交換するので問題なし。
充電はiPhone4Sまで使われた30ピンコネクタです。時代を感じる。液晶パネルはバックライトこそついてるものの解像度低めの白黒です。ゲームボーイと同じだと言えば伝わりますかね。
背面はこんな感じ。4GBモデルです。林檎マークが鏡面だったらなお良かったんだがなぁ。4GBとか6GBとか書かれていると第2世代なのだそう。第二世代じゃないと128GB化は上手くいったりいかなかったりするらしいですね。
比較的綺麗ですが少し傷がありました。古いものだから仕方ないですね。傷ついたiPodも美しいってジョブズも言ってたし。
ちなみにiPod miniが発売されたのは2005年。ちょうどYouTubeが設立された年で、PSPやXbox360が発売、福知山の事故が起こった年でもあります。そう思うとかなり昔ですね。
CFアダプタ
こちらSDカードをCFに変換するアダプタ。需要が少ないからか1350円しました。結構いい値段しますね。メーカーはよく分かりませんが、アダプタなんてどこが作っても大体同じだし(中で何か処理をしているわけではない)気にしないことにします。
CFにはType1とType2があって、1の方が薄いらしいのでとりあえず分からんから1を買ったのですが、どうやら2でも物理的にいけそうです(後述)。
交換用バッテリー(ドライバー付き)
次はこちらの交換用バッテリー。一眼レフ用の互換バッテリーでお馴染みのROWAブランドでした。
ROWAの一眼用互換バッテリーは品質が良いと評判ですが、これはROWAと言ってもどこかの中華OEMに刻印しただけの物でしょうし、まあ充電できればいいやと期待値は低めに設定しておきます。
ちなみに送られてきた梱包材がそのまま保証書になるというちょっとビックリ仕様。
microSD 128GB KIOXIA製
で、最後に今回の要となるmicroSDカード。256GBでも良かったのですがケチって128GB。秋葉原で1500円で買ってきました。いつもはサンディスク製のmicroSDを愛用しているのですがなんか飽きてきたのでたまにはKIOXIAを買ってみました。特に意味はありません。
Amazonで購入する場合は国内正規品だとぼったくりかと思うほど高いので(事実ぼったくり)↓
海外からの並行輸入品を購入するのが良いです。製品としては全く変わりがありません・・・が、たまに偽物に当たったり保証が若干異なるなどはあるので各自調べてください。
ちなみにKIOXIAってのは旧東芝メモリです。だから中身は世界的に信頼のある東芝(なお経営に関しては信頼ゼロの模様)。
SDカード変換アダプタ
CF←SD←microSDとしたいのでmicroSDカードをSDカードに変換するアダプタも必要です。私は買い忘れました。
分解の儀
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上下を開ける
では準備する物はそろったので早速iPod miniを分解していきます。
まずはアルミ部分に傷がつかないようにマスキングテープで上下を覆い、ドライヤーで上部下部を暖めます。スマホの分解の時とかにもやる接着剤を柔らかくするって言うアレです。実際に効果あるのかは分かりませんし熱くしすぎるとバッテリーが発火しそうで怖いのでほどほどに。
その次に上部のプラスチックとアルミの隙間に精密マイナスドライバーをツッコミ横にずらしながら接着剤から剥がしていきます。てこの原理でプラスチック部を浮き上げる感じです。ミリミリミリみたいな接着剤が剥がれる音がします。
1分くらいコジコジやっていたら外れました。接着剤が経年劣化で茶色くなってますね・・・。
反対側も同じように外しました。
はまっていた金具も外します。4隅がゆがむのでそこに精密ドライバーを突っ込む感じですね。ただその下にクイックホイールのコネクターとケーブルがあるので傷つけないよう慎重に。
基板を取り出す
それでは次に外装から基板を取り出します。
精密ドライバーで上部の左右についていたネジを外します。バッテリーに付いてきたちゃちいヤツでも外せました。ものすごく小さいのでどっかにしっかり保存しておかないと無くしそう。
で、次は下部のクイックホイールコネクタを外します。爪で引っかけてゆっくり上げたら取れました。
これで下からゆっくり押し上げると基板が取れます。
はいこんな感じで第一段階の分解が完了。こんな小さいのにぎっしり半導体が。これがジョブズの言う基板まで美しいってやつか。
バッテリー・ストレージを外す
ここまで10分かかってませんが割と集中したのでちょっと休憩してから、いよいよバッテリーとストレージを交換していきます。
これが液晶パネルの反対側。上の青いのがバッテリーで下がHDDです。日立製のモデルもあるらしいのですが、私の買ったのはSeagate製が入ってました。この頃の謎HDD技術が発展してればスマホにHDDが搭載されるなんて未来もあったんですかね。落としたらすぐ壊れそう。
ストレージコネクタがバッテリーの下にあるようなのでまずはバッテリーを外しました。PC用の3ピンコネクタを小さくしたみたいな端子に繋がれてます。精密ドライバーで押し上げれば外れました。
HDDも外しました。横長の端子で繋がれてるのでこれも上部からマイナスドライバーを差し込んで押し上げれば外れます。傷つけたら一発アウトなので集中。
回転の振動によるズレ防止なのかシリコンで出来た緩衝パーツが付けられているのでこれも外す。HDDにはAppleマークがしっかり入ってました。
HDDの上に付いてる端子も外れます。これがCFと同じ規格なのだそう。
microSDのフォーマット
Macに接続するので一応microSDのフォーマットをしておきます。Windowsなら必要ないかも。
Macはあんまり好きじゃないんですが、WindowsだとiTunesが不安定すぎてアップル製品との同期が上手くいかないのでMacのほうがいいかなーとなんとなく(まあ結局Windowsと同期したんですけど)。Appleは早くWindows版のiTunesも解体してくれや。
『ディスクユーティリティ』→『消去』です。フォーマットはFATで。
バッテリー・ストレージ取り付け
ここまでで15分。割といいペースです。それではサクッとmicroSDに交換しちゃいます。ここでひとつ問題に気づきまして、ケチったせいでSDカード変換アダプタが付いてない方のmicroSDカードを買ってしまったのです。仕方ないので一眼用に予備で持ってたサンディスクのやつを使います。
microSDをSDカード変換アダプタに挿しそれをまたCFへの変換アダプタに挿します。こんな変換して大丈夫なのかと思いますが、何かデータ処理を行っているわけではないので特に問題はないはず。
HDDに付いてた接続端子を付けます。ぴったり。
このまま戻すとスカスカになるので緩衝パーツをくっつけてHDDと同じように接続します。付いてた黒いシールはくしゃくしゃにしちゃったので手元にあった養生テープ。端子は押せばはまりました。
この緩衝パーツ、変換アダプタと大分隙間が空くのでどうやらアダプタのサイズが小さいっぽい。おそらくHDDはCFのType2と同じサイズではないのかなと思います。まあ小さい分には問題ないのだけども。
バッテリーは同じ物なので置いて端子をはめるだけでした。
組み立ての儀
これで作業は終わりで後は外装に戻すだけですが戻した後に何か問題が発覚して再度分解するのは面倒なのでここで動作チェックをします。
とりあえずMacに接続したところ特に問題なさそう。設定はまた後でやるので今は外装に戻します。
組み立てって言ってもただ差し込むだけです。基板が外装内の出っ張りの下を通るよう差し込み、所々突っかかるのでその度に下部から精密ドライバーを突っ込んで下に押して通しました。
後はクイックホイールの端子を挿して、金具を付け、ネジを締めて、プラスチック部を押し込んで終わりです。
設定・同期をする
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Mac編
ではいよいよ設定と同期をしていきます。
まずはMacに接続。
お、左上にしっかり124.91GBと出ました。しっかり認識してくれました。ちなみに128じゃないのはGBとGiBの差だと思われます。
・・・が、なぜか永遠とこの読み込み中のまま。
おや、これはやっちまったかなと何度か抜き差ししてみましたが改善されず(よい子は読み込み中は抜き差ししちゃダメだよ)。10分ほどあれこれしてうーん困ったなと頭を抱えた瞬間、
読み込みました。やったぜ。なぜずっと読み込みが続いたのかは分かりません。本当に読み込んでいたのかバッテリーが少なかったからか、どちらかでしょう。
それにしても2005年の製品が未だに最新OSで読み込めるとは・・・。Appleのサポートの長さには本当に感心します。Googleだったら終売した1年後とかにサポート打ち切ってそう。
画像にはiPod touchとnanoしか映ってませんが「はじめよう」をクリックします。
じゃーん。マジでiPod miniが128GBになりました。しかも当時は考えられなかったフラッシュメモリでです。技術ってのは進歩するんだなぁ。
念のため復元(ソフトウェアの再インストール)を行っておきます。『iPodを復元』をクリックして『復元』。
数分待つとこういうメッセージが出てきました。
再び『はじめよう』の画面が表示されました。これで完璧に128GBのiPod miniが完成。ここから音楽を同期すれば外でも128GB分の曲がポケットに。
Windowsでも使えるよ
もちろんWindowsでも使えます。Macを持っている癖に私の音楽フォルダは基本Windowsに入っているので接続してみました。
接続したところフォーマットしろとのダイアログが。Mac用にフォーマットしていたのをすっかり忘れてました。でも最終的にはWindowsで使いたいのでフォーマット。Macで設定したのは何だったんだろうね。
iTunesもWindowsで使いたけりゃ復元しろやオルルァと言ってきます。仕方ないので復元します。この頃はWindows・Mac両方で使えるってシステムではなかったんですね。
さっきと同じ事をしました。「このメッセージはx秒後に消えます」ってのは某映画のオマージュですかね。だとしたらそういう遊び心好き。
同じような画面が出ました。
はい、Windows版iTunesでも同じ手順で設定が完了しました。128GBもあるので全ての音楽データ(60GBくらい)を同期してみました。同期には1時間ほどかかった事を付け加えておきます。USB2.0だからね、しょうがないね。
完成、ロマンを満たすiPod。いらないけど
ということで128GBのmicroSDを搭載したiPod miniが完成しました。同期には少々時間がかかりましたが読み込みもHDDと比べると格段に早くなり(処理が追いついてないのか音楽は再生されるけど画面は数秒動かないというバグっぽい物はありますけど)、バッテリーも今のところ3時間再生して20%ほどしか減ってません。暇だったらどれだけ電池が持つかテストしてみようと思います。
長々と書きましたが同期した時間を除くと改造には30分ほどしかかかっておらず大変簡単でした。というのも分解するのに難しい操作が全くと言っていいほど登場せず、小さなiPodにHDDとそれを動かす基盤やらをしっかり組み込みつつ修理しやすいAppleの設計は後のiPhoneにも繋がるすごいものだと思いました。
冒頭にも述べた通りこのストリーミング全盛期の今日にiTunes to goな大容量iPodなど存在価値がないに等しいですが、それでもクイックホイールで大容量フラッシュストレージiPodはなんというか、ロマンがありますよね(ありますよね)。
とはいってもこの大体6000円ちょいかかっているiPod君一体どうしようか。Bluetoothが使えないので普段使いするのはちょっと厳しいし、かといって押し入れに眠らせておくのはもったいない。スピーカーに繋いでホームオーディオ用か車のオーディオ用に使いましょうかね(それもiPhoneでいいじゃんと言ってはいけない)。
てなことで今日はiPod miniを改造した話でした。もう話すことがないので今日はこの辺で失礼します。ではでは。
※注意事項
このブログを参考にiPod等を改造して何か損害を被った場合でも筆者及び管理人は責任を負いません。また、このブログはあくまで筆者の日記であり改造等を推奨するものではないと言うことを付け加えておきます。古いものならともかく、新しめの製品を改造すると保証や修理が受けられなくなるので気をつけましょう。
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参考
改造するに当たって以下のサイト様を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
https://ameblo.jp/dryayasu/entry-12580881541.html
https://ryosuke-star.amebaownd.com/posts/1807208
http://okaymac.com/2018/07/29/ipod-mini-128gb/
https://kou014.hateblo.jp/entry/2014/07/27/225619
https://bsk6223.golog.jp/archives/51550076.html
https://running-dog.net/2014/12/post_1229.html
http://8801.tokyo/2020w/iPodMini_sd-card.html