はじめに
もうすっかり世の中正月になってしまった訳だが、いつものように私の旅日記を書くスピードはナメクジも目玉をひんむいて驚くぐらい遅いのでまだ夏のことを書いているけどもどうかご容赦願いたい。
さて今日は1日かけて稚内を観光する話。私もナシオ君も免許は持っていない下級国民なのでバスと己の足を使って色々観光してきた。私たちと同じような観光客は割といそうなので、もしかしたらGoogle検索とかでヒットして呼んでくれている方もいるかも知れない。どうぞブラウザバックボタン(伝わる?)は押さずに最後まで読んでいってください。オナシャス。ちなみにGoogleアナリティクスによると今までこのブログの旅日記にGoogle検索からアクセスされた回数は0回。一体何がいけなかったんでしょうね~。
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バス乗り放題チケットを購入
さて、ゲストハウスを9時前に家を出て我々は稚内駅へ向かった。2泊するので荷物のほとんどは宿に置いてきた。カメラとスマホ用のモバブくらいで背中がとても軽い。身軽っていいね。
駅前にはレンタカー屋があって、おそらく稚内というのはレンタカーでの観光が基本なのだろうが(というか北海道全体レンタカーで移動した方が効率よさそう)、前述したように我々は原付の免許すら持っていないのでバスを使うことにした。
ゲストハウスが自転車を貸してくれるというので、最北の大地を自転車で駆け抜けるってのもいいなぁとちょっと検討したが、稚内の観光名所はどこも思った以上に遠い、いわゆる北海道スケールってヤツで、宗谷岬に行って帰るだけで1日使ってしまう上に熊に襲われたらひとたまりもないのでやめた。せめて原付の免許だけでも取ってくるんだった。
で稚内駅へ来た。
写真を撮り忘れたので昨日の写真で失礼。
稚内駅前は一応バスターミナルという事になっており、路線バスが何本か出ている。都市間バスもいくつか出ているようだ。駅の中にはバスの待合室も併設されていて、そこで1日乗車券が販売されている。
一人3000円で稚内エリアの路線バスが乗り放題になる。こういう所で儲けなきゃいけないからか値段は少し高いが、これで移動手段は確保できた。
ノシャップ岬へ
稚内と言えば宗谷岬!と思う人が大半だろうし私も稚内に行く列車の中でGoogle検索をするまでは宗谷岬ぐらいしか見るとこないだろと思っていたのだが、宗谷岬行きの路線バスはかなり本数が少なく、そもそも岬まで行くのに結構時間がかかるため、なかなか予定の中に組み込むのが難しい。
今回は先にノシャップ岬という2番目に最北端(日本語ぅ…)の岬に行ってから宗谷岬へ向かおうと思う。一応稚内にもいくつか観光名所はあるのである。
駅前のバス停からノシャップ岬へ行く路線バスに乗る。我々の他に観光客はいない。地元住民と思わしき人は数人乗っていたので、地元からの需要がないわけではないようだ。途中小学校の横を通過したが、校庭には30名くらいの児童が遊んでいた。ほう、てっきり全校生徒合わせて5人ですなんてもんだと思っていたから割と子どもの数は多く感じる。この日は19日だったはずなのでまだ関東は夏休みだけども、北海道は冬に雪が降る関係でもう学校が始まっているのか、それとも学童保育的なものに預けられているちびっ子達なのかはよく分からない。それにしても親御さんは何のお仕事をしているのだろうか、自衛隊とか漁師さんとかだろうか。観光業って線もあるけども、生計が成り立つほど観光客からの収入があるのかは分からん。何しろとんでもない田舎だからな。
そうこうしているうちにノシャップ停留所に着いた。大体稚内駅から30分くらい。辺りには何にもない草原が広がっている。後ろには丘というよりは少し大きいぐらいの山があって、何やら電波塔みたいな建物が見えた。自衛隊とか気象庁とかの建物かも知れない。
ノシャップ岬へはただ停留所から1kmほど北に歩くだけだ。途中海鮮丼とか書かれた海の家みたいなお店があったけれども、全て閉まっていた。訪れたのが結構朝早かったからかも知れない。それにしても寒い。さすがは稚内と言うべきか。この日東京は35℃越えの猛暑であったらしいのだが、この稚内は21℃ほどで涼しいを通り越して少し肌寒いような気候だったのである。
ノシャップ岬 着
と言うことで日本で二番目に北にある岬、ノシャップ岬へついた。最北部には展望台のような感じで整備されており、No2最北地を思う存分楽しむことが出来る(おそらく土地とか整備場所の関係で実は若干西へズレてはいるのだが、そこは目をつぶっておこう)。
記念撮影のスポットなのだろうか、イルカのモニュメントが中央にでっかく構えてある。
せっかくなので記念写真を撮ってきた(写真はナシオ君だが)
なぜ北海道なのにイルカなのかと思って調べたらイルカが通過した伝説があるらしい。ふーん。
後はノシャップ岬の看板がある。おー、来たなって感じがするねぇ。後ろには利尻島の山が若干見えた。晴れた日には樺太が見えるときもあるそうだが、残念ながらこの日は曇りで見えない。
ていうか、周りに建物などがほとんどないふきっさらしの場所なので風が強い。マジで強い。おまけに寒い。リュックを地面に置いておくとそのまま吹っ飛んでいきそうな勢いだったので柵に結び付けて固定した。我ら関東民が愛すべきJR路線、武蔵野線(京葉線でもおk)なら止まってるね。
さっき述べたとおりこの展望台は西へズレているのでGooglemapを頼りに本当の第二の最北ポイント(語彙力ゥ・・・)へ行ってみた。
この写真に移っている灯台の先が最北(No2)の地っぽい。
整備されてない所は普通に砂地で、カモメがいた。
このウォーリー見たいな色の灯台の足下が第二の最北ポイント。
ノシャップ岬はそれ以外には特筆すべき所もない。日本最北の水族館が近くにあるがやっていなかった。寒いしやることもないので写真を撮り、海の向こうのロシアを思い浮かべビーフストロガロフ食べてえなぁ(どんな料理かは知らない)とか思ったのちバス停へ向かった。
あ、あと公衆トイレがあった。コンビニも何もないが、トイレの心配だけはしなくていいね。
朝ご飯を食べよう!・・・マックで。
さて、来たときと同じようにバスに乗り稚内駅へ戻ってきた。
時刻は大体10時で腹が減った・・・・・・が、稚内には朝飯を食うところがない!
カフェとかしゃれたもんはない!吉野屋ない!ファミリーマートない!セイコーマートある!
ということでセイコーマートはあるのだが、今回はスルー。昨日ちくわパン食ったし。
調べたら日本最北のマクドナルドなるものが稚内市街にあるらしい。ほう・・・。私は旅行先でチェーン店に入るのはあまり好きではないのだが(地方で朝ご飯を食べようとなるとお店が見つからず結局マックになってしまう事は多々ある)、最北というアイデンティティにちょっと心惹かれた。他にはセイコーマートしかないしちょっくら行ってみるか。
・・・ということで朝ご飯は朝マックに決定。
稚内駅は稚内市街からは少し離れており、バスでの移動が必要である。とはいってもまあ30分に1本ぐらいバスが出ているのでそこまで移動が困難なわけではない。ノシャップ岬からそのままバスに乗り市内へ向かう。
市内はほどほど発展しており、車の販売ディーラーなどが結構見られる。昨日何もないサロベツ原野を通り抜けてきたのであのまっさらな草原の先にこんな街があるのかと驚きである。
で、ついた。
日本最北のマクドナルド、『マクドナルド40号稚内店』である。
・・・うん、まあ、普通のマクドナルドだよ。当たり前だけど。
でもこのマクドナルドにはここにしかないスポットがあって、
日本最北店舗の碑とともにマクドナルドの教祖様ならぬマスコットキャラクター(最近のネットではオワピとも呼ばれている)ドナルドの像がある。
Twitterで調べると結構記念写真が出てくるので、有名な撮影ポイントらしい。
冬も夏もこのまま駐車場に放置安置されているらしく、冬に行くと雪に埋もれつつ笑顔を浮かべて両手を広げるオワピドナルドに会うことが出来るぞ!
なお、味は通常通りのマクドナルドであった。チーズバーガーとかビックマックとか色々美味しいバーガーはあるけど、個人的にはソーセージエッグマフィンが一番美味しいと思う。毎日でも食べたい。
ちなみに最東は根室、最南・西は石垣島にあるらしい。根室はともかくとして石垣島はなかなか行きにくい。機会があったらコンプリートしたいとは思うが。
稚内駅周辺を観光
さて、朝飯も食ったし、次はいよいよ宗谷岬・・・と思いきや、宗谷岬へのバスは1日4本しかなく、乗ろうとしていた一番早い便をマクドナルドで記念写真しているうちに逃してしまっており、次は13時半とあと2時間ほどある。そこで稚内駅周辺の観光をしてみることにした。
と言うことで今日3回目の稚内駅。
ここから徒歩で行ける範囲内で観光をしていこうと思う。
稚内港北防波堤ドーム
まず来たのは稚内港北防波堤ドーム。稚内から徒歩5分ぐらいの場所にある。
目の前は海となっており、強風と荒波を防ぐために作られたどデカい防波堤である。これがないと北方から吹いてくる風がもろ港や街に直撃してしまうので稚内にとって最も大切な施設と言えるだろう。
ここの見所はローマの神殿みたいな作りの柱で、遠目から見るとどこか宮殿の側面のようなデザインとなっており、なかなか良い感じ。
夏場でも風よけとして機能しているようで、防波堤下にはおそらく日本一周の旅に出るのであろうライダーが何人かテントを張ってゆるキャン△もとい野宿していた。夏と言ってもここは日本最北の地なので夜はかなり冷えるのだが、野宿なんかで生きていられるのだろうか。もしかしたら飯を優先して宿を取れなかったのかもしれない・・・
夢広場/北市場
防波堤は結構すごい観光名所ではあるが、何しろちょっとおしゃれな防波堤なだけなので30分くらいで観光し終えてしまった。まだまだバスまで時間はあるので駅のすぐ横にある販売所に行ってみた。北広場と言う名前にあるとおり、一階は一般人向けに海産物や土産物を売るお店、二階は食堂となっているようだ。
そもそもこの日は我々以外に稚内駅周辺をウロウロする観光客がおらず従ってお店にも我々しかいなかった。
市場は結構広く、魚とかタコとか貝とかいろいろな新鮮な海の幸がおいてあるのだが、まさか今タコを買ってそのままあと4日持ち歩くわけにもいかず、郵送でも数日はかかってしまうし、仕方ないので海産物は諦めて冷凍の夕張メロンを買ってみた。
なんで稚内まで来ておいて夕張メロンなんだよとは言ってはいけない。同じ北海道だからセーフセーフ(なお距離は東京名古屋間ほどある模様)。
冷凍なのでちょっと解けたぐらいで食べてみるとシャリシャリとまるでシャーベットを食べているような感じで美味しい。やっぱメロンは夕張に限るね!あ、でも山形で取れるメロンも美味しいからみんな買ってね(出身地の意地)。
ポケふた
これは大変マニアックな話であるが、北海道はあの有名なポケモンとコラボして全道にまんべんなくポケモンの絵柄のマンホールを設置して観光客を集めようといろいろ頑張っている(ポケふたと言う)。で、その最北のマンホールが稚内駅に設置してあるのである。
絵柄はアローラロコン(通称シロン)とアローラキュウコンで結構新しめ。北海道らしいこおりタイプでかつ可愛いキャラデザととても良いチョイスだと思う。これがレジアイスだったら・・・それはそれで面白いかも知れない。
ポケふたは北海道中にまんべんなく設置されているのでもし北海道旅行をするポケモンファンはポケふた巡りをしてみるのも面白いかも知れない。
メインはアローラロコンでそこにその地にあったようなポケモンを配置するというデザインが多い。第4世代が多いのはシンオウ地方が北海道をモデルにしていたからだろう。ちなみに三笠市には化石系のポケモンであるズガイドスとオムナイトがデザインされている。これは三笠市が化石の産地であると同時にゲーム内で重なる街がクロガネシティ(ジムリーダーが化石ポケモンを使う)からだと思われる。つまりダイパを作る時点で三笠市をクロガネシティのモチーフにしていたらしい。ゲームフリーク結構そういう所はこだわるのよね。
いやそれにしても、明らかにポケふた巡礼者の事を考えていないような、道北から道南までてんでバラバラな配置だ(しかも電車をはじめ公共交通機関で行けないところがかなり多い)。巡礼者は車を借りて一週間旅をする覚悟でないと完全制覇は難しいかも知れない。一体なぜこのような配置にしてしまったのだろうか。もしかしたら株ポケの人は電車のスタンプラリーみたいな感覚でポンポン設置していったのかも知れないが、何しろ北海道はとんでもないスケールなので東京の次は千葉に行こうみたいな軽い気持ちで移動は出来ないのである。いやはや、全くもってとんでもない配置だ・・・。
宗谷岬へ行こう
さて、その後だらだらと駅周辺で時間を潰していたらバスがやってくる時刻となった。遂に宗谷岬へ移動を開始する。
駅前のバス停に定刻通りバスが止まっていたのでこれに乗り込む。客は観光客と思わしき人が半分以上。一応地元民と思われる人も乗っている。稚内駅は稚内中心部とは離れているため若干の需要はあるのかも知れない。
決して観光バスではなくただ宗谷岬も通る路線バスという扱いなので、宗谷岬より先にも行くらしい。ふーん中頓別(なかとんべつ)まで行くのかーとボーッと眺めていたが、これが調べてみるととんでもない距離で、
Googlemapで簡単に調べたら113km。
距離感がよく分からないので関東に置き換えると、東京駅熱海間が車で105kmなのでそれより長い。このとんでもなく長い距離を路線バスが走っているのである。こマ?路線の長さに対してバスが貧弱すぎんだろ・・・。
これは昔天北線という稚内から宗谷岬の先、中頓別を経由して音威子府(おといねっぷ・宗谷線の駅がある)へ至る国鉄の路線があり、当たり前のようにそれは民営化の際に廃線となったのだが、この路線バスはその廃線跡をなぞって運行されているかららしい。そんな沿線人口で大丈夫か?と思ったが案の定問題あったようで、廃止と存続の狭間を行ったり来たりしながらなんとかいままで持ちこたえているらしい。もともと天北線は宗谷岬は経由しなかったのだが、観光客取り入れのためにちょっと天北線からルート変更して遠回りしている。まあそのおかげで我々はこのバスに乗っているわけだから若干の効果はあったんだろうけど、正直これから人口はどんどん減って行くし早く行政負担額が大きくならないうちに廃止した方が良いですよとちょっと思ってみる。多分タクシー代を行政が負担する方が将来的に安くすむんじゃないかなぁ・・・。知らんけど。
で、宗谷岬へのバスに話を戻す。
先ほど行ってきた稚内市街を通り抜け(結構発展している)海岸沿いへ至ると車窓は草と海と空しか見えなくなった。本当に何もない。だがこれがまた素晴らしい景色で、オープンワールドゲームの草原を駆け抜けているような爽快感というか、これぞ北海道というような、なんというか一言で言うとエモい風景が広がっていた(語彙力不足)。今までの人生で一番車窓の景色がよい路線バスって感じ。
天気がよければもっと良い景色が見えたんだろうなとちょっと後悔するが仕方がない。
まあ、でもこれが何十分も続いてくるとさすがに飽きてきて、ちょっとうとうとしていたらいつの間にか着いた。ケツが痛い。
来たぞ最北の地!
ジャーン!!!
遂にやってきた宗谷岬!!日本最北の地!!!寒い!!!!!
と言うことで現状日本人がパスポートなしで合法的に行ける最北の地へとやってきた。なんか感無量である。バスを降りると乗っていた人は皆例のモニュメントへと集まっていく。俺らももちろん記念写真を撮るため向かう。
モニュメントの撮影は列が出来ていたので待っていると近くに間宮林蔵の像を見つけた。宗谷岬のその先にある樺太が大陸から離れていることを発見した江戸時代の偉大なるおっさんもとい冒険者である。ただ海の近くに置かれているせいか風化が激しくかなりボロボロの上、もう頭じゅう鳥の糞まみれや。ぱっと見はあまりに滑稽であるが笑ってはいけない、彼は偉大な人物なのだ。・・・でも見れば見るほど笑いがこみ上げてくる。掃除位してやれよ・・・
ちなみに私的には宗谷岬と言えば桃鉄のインチーキ博士の像がある場所なのだが、残念ながら彼の銅像は置いていなかった。インチーキ博士って誰だよと思った人は『桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻』をプレイしてみてくれ。あ、あと最新作の桃鉄令和も面白いのでみんな買おう!
せっかく宗谷岬へ来たので記念写真を撮ってみた。
うーん、何というか華がない写真である。
帰りのバスまであと45分ある(これが宗谷岬から稚内駅へ帰れる最後のバス)ので近くをウロウロしてみた。
宗谷岬の後ろには小山というか丘というか、そんなものがあって上ることが出来る。ちょっと上ってみた。
丘の上には日露戦争ぐらいまで使われていたという旧日本海軍の遺跡が残されており登ることが出来る。
遺跡の一番上からは宗谷岬全体を見渡すことが出来、晴れている時は海の向こうに樺太が見えるのだそう。まあこの日は見えないどころか雨が降ってきたのだが。
丘から下りる際になんと野生のキツネが道を横切るのに遭遇した。
か、かわいい!
しかし、キツネをはじめ北海道の野生動物ははエキノコックスという寄生虫を宿している可能性が高く、うかつに触って感染してしまうとエキノコッスク症(寄生虫により身体の臓器が機能しなくなる病気。治療は該当箇所の外科切除しかないらしい)にかかる可能性がある。しかもこれは発覚するまで数年はかかるというやっかいな病気である。
だから北海道で野生動物にあっても決して触ってはいけない。糞にエキノコックスが含まれている可能性があるのでフンも触ってはいけない。また、同様の理由で浄水されていない沢や川の水、自然に生えている山草や木の実なども触ってはいけない。そしてこまめに手洗いする事が大切である。
あのコロナとかエボラ出血熱だって元は動物由来のウィルスだし、正直動物はどんな菌や虫を持っているか分からないので北海道に限らずどんなところでも出来れば自然動物との接触は避けた方が良い。ふれあいたい時は動物園にでも行こう。え?一緒に行く相手がいないって?もちろんそこは一人でしょ(普段から結構一人で動物園に行く人・逆に誰かと一緒に動物園に行ったことがない涙)。
ということでさすがに近づくのはあんまりよろしくないので遠巻きで写真をパシャパシャ撮っていた。こんな寒いのにキツネは特になんともなさそうだ。こういう時は毛皮がうらやましいぜ。
この丘の後ろには日本一北にあるラーメン屋があるという話だったが、時間がないので仕方なく諦めた。昼飯抜きである。
その後は雨が本降りになってきて寒いのでぬらしてぶっ壊さないようにカメラをリュックにしまい、バス停(掘っ立て小屋みたいな感じで屋根がある)で凍えながらバスが来るのを待っていた。まるでゲリラ豪雨のような大雨が降ってきて元から低かった気温がより一層下がる。その日の東京は35℃を越える猛暑日なのに稚内は秋を通り越して冬に突入したかのような寒さで、半袖で来たことを大変後悔した。
その後は湿度が高くめちゃくちゃ蒸していたバスで同じ道を1時間かけて戻った。寝てた。これにて稚内にて一番行きたかった宗谷岬観光終了。なかなかに感動した。寒かったけど。
それにしても経営状況が悪いのは分かるがなかなかにシビアというか、使いにくいバスの時刻設定である。宗谷岬発の終バスが14:55で、と言うことは稚内駅から日帰りで行くには13:20の稚内駅発が最終往路バスになってしまう。ここら辺をもう少し見直して夕日が見れるように設定すれば多少は観光客も増えると思うし、ちょっとダイヤが下手っぴだなと感じた。まあバスを出してもらってるだけありがたいんだけど。あ、もしかしたら冬の雪ってのも関係しているのかも知れない(朝除雪をするので午後の遅い時間は雪が積もってしまい道路が通れなくなるとか)。
稚内公園
宗谷岬へ行って稚内での目的は果たしたが時間が結構余って暇だったので稚内公園という所へ行ってみようと思う。
場所はノシャップ岬へ行く途中で、バスに少し乗り下りた後裏山を結構登らねばならんらしい。ここら辺は写真がなくて記憶も曖昧なので気になる人は調べてくれ。
で、山道を登っている時に、またもや野生動物、今度は鹿を見つけた。こっちをじっと眺めてしばらく動かず近づくのはマズい気がしたのでじっと待っていたらどっかに行った。鹿って近づいても良いんだろうか・・・。熊と遭遇したときの対処法はしっかり勉強してきたのだが、鹿は全く調べてなかった・・・。
んで、山道を登ること20分、稚内公園へ着いた。
結構高い位置にあるので稚内駅周辺を見渡すことが出来る。奥の方にうっすら見えるのはさっき行った宗谷岬。結構遠い位置にあるんだなぁ。
で、その見晴らしポイントにはこのような物が設置されている。真岡郵便局事件の慰霊碑。真岡というのは樺太にあった地名である。太平洋戦争末期に樺太へ攻めてきたソ連軍は玉音放送後も侵攻を続け民間人ですら容赦なく殺していくので真岡郵便局で働く女性達が集団自決した事件があり、その慰霊碑なのだそうだ。実は沖縄戦以外にも樺太で地上戦が行われたというのはあまり知られていない。しかもこちらは中立条約ガン無視でポツダム宣言後も侵攻してくるというやばさ。こういうのも歴史の教科書に付け加えるべき何じゃないかなと慰霊碑を見て思った。
その近くには氷雪の門という像がおいてある。これは前述の方達含め、樺太で亡くなったすべての方達に向けた慰霊碑なのだそうだ。
そんで、この展望台っぽい所からちょっと離れてうろうろしてみようかと思ったとき、
また鹿が出現。しかも今回は群れである。写真じゃ伝わらないけどかなり大きい。
こんな感じで俺らのことなど気にもとめず草食ってる。鹿って結構噛む力とか強そうだし、むやみやたらに近づいて指でも噛みちぎられたらたまったもんじゃないので退散する。
公園からはまた徒歩で降りるのだが、さっき来た道とは違う市街地方面に延びていた階段を下っていたら神社っぽい建物を見つけた。調べると北門神社と言って神職が常駐する神社としては日本最北なのだそうだ。ふーん。
入り口がちょっと神秘的だった。
それからは特に何か事件もなく歩いて稚内駅へと戻った。
再びノシャップ岬へ
さて、時刻は夕方になったがまだ夕飯には少し時間があるのでもう一度ノシャップ岬へ行ってみようと思う。バスも普通にまだあるし、何より夕日の絶景ポイントなんだそうだ。
と言うことでバスに揺られ再びやってきたノシャップ岬。ん~、もうちょっと雲が少なかったらうれしいんだが、しかたないね。
三脚を構え、風が強い中適当にパシャパシャ写真を撮ってみた。
まあこんな感じ(無加工)。太陽が隠れなければもうちょっといい写真撮れたと思うんだけどなぁ(言い訳)。
これでもう用は済んだので稚内駅へ帰る。それにしても日が落ちると途端にあたりが真っ暗になってしまって、スマホのライトがないと何も見えない。流石ど田舎。
蛸しゃぶを食べる
それでは8時間ぶりくらいに食事をしようと思うのだが、昨日も書いたようにいかんせん稚内には店が少ない。朝行ったマックがある市街地の方はそれでもマシな方だが、稚内駅回りになると本当に片手で数えられるほどしか飯屋が存在しない。
昨日のようにセコマ飯は流石に避けたいと色々調べたところ、蛸のしゃぶしゃぶを食べることが出来る店があるらしい。ほーん、蛸ね。美味しそう。と言うことで行ってみた。
と言うことで稚内駅から徒歩15分ほどでやって参りました、うろこ市というお店。
早速店内に入ってたこしゃぶを注文。
じゃーん、こちらがたこしゃぶ。たこの他に野菜や中華麺も付いてくる。
まずは火が通りにくい野菜からだしに入れて、そこにたこを数秒しゃぶしゃぶして一緒に食べるのがいいそうだ。なるほど。
ということでしゃぶしゃぶ(動詞)。
蛸はかなり薄く切られていて、ちょっとだしにつけるだけで火が通る。それを野菜と一緒にポン酢っぽいタレにつけて、食べる。ついでに白米も口に入れる。うまい!薄いのにかみ応えはしっかりして、野菜とだしとタレと蛸のうまみがちょうどいい感じに口の中に広がる。美味しい。しかも蛸の切り身はかなり大きい。調べたら稚内はミズダコの日本一の産地で、大きなミズダコが捕れるのだそうだ。
そしてシメにラーメンを入れるとこれがまた美味しい。和風だしと蛸のうまみが染み出てて、何回でも食える。
このお店では新鮮なミズダコを家で食べるように買えるのだそうだが、流石にタコ持ちながら札幌まで戻るわけにはいかないし、飛行機に乗るわけにもいかないのでやめておく。通販もやっているようだから、また食べたくなったら注文しよう。
この日はそのままたこしゃぶを食べたあと宿に戻って即寝た。明日早いからね。
終わりに
と言うことで1日稚内観光終了。免許を持って無くてもなんとか行きたかった場所を巡ることが出来た。ていうか、車って閉鎖空間だからいつでもどこでも好きな音楽流せるし会話できるし空調も適温に出来るけど、旅行はその場所に言って現地の言葉を聞いたり現地の匂いや温度を体感したりするのが面白いから逆に免許無くて良かったかも。車だったら宗谷岬が寒いこととか、鹿が結構大きいところとか、現地の人が意外に訛ってない事とか気づけなかっただろうし。
まれに、電車で旅行するとか周りに人がいていやだ!車が良い!寒いのイヤ!暑いのイヤ!エアコンつける!観光地でもイヤホンで好きな音楽聴く!って人がいるけど、ああいう人とは一緒に旅行行けないなと常々思う。旅ってのはその地その場所のアイデンティティを五感で体感しての旅だとおもうのだが。そういう人はGoogleストリートビューでも見ておきなさい。大体一緒だから。
で、この次の日の話をすると、明日は再び鉄道にて旭川へ戻る。特急で行けば3時間半程度だが、明日はそんな短時間ではない。なんと始発から終電まで使って宗谷線の秘境駅巡りをするのだ。宗谷線は秘境駅がかなり多い事で有名で、それらほとんどは今年の3月のダイヤ改正と同時に廃止されてしまうのだが、このときは8月でなんとか最後にいろんな駅に訪れることが出来た。本数が少ないのにナシオ君が色々頑張ってくれたおかげである。大変ありがたい。
訪れた秘境駅はかなり多いので、書くのになかなか時間がかかると思うけども気が向いたら読んで欲しい。あとはてなブックマークよろしく。今日はこの辺で。ではでは。